書籍紹介 「音のない音」(河合隼雄)

書籍紹介

 「人間の口は一つだから、一度にたくさんのことは言えない。たとえば、「悲しいです」としか言えない。しかし、これをメロディーと考えると、同じ「悲しいです」の下に、いろいろな和音があり、それによって随分と味が変わるはずであり、そこには言われていない和音を聴くことが非常に大切ではなかろうか。音のない音に耳を傾ける態度が、他人を深く理解するのには必要であると思われる。」

河合隼雄の『幸福論』 2014年 PHP研究所
<著者略歴> 1928年ー2007年。臨床心理学者。京都大学名誉教授。京都大学教育学博士。2002年2月から2007年1月まで文化庁長官。国際箱庭学会や日本臨床心理士会の設立等、国内外におけるユング分析心理学の理解と実践に貢献。

 「本書は『しあわせ眼鏡』という題で1993年1月から1997年12月まで中日新聞と東京新聞に連載されたのをまとめて、1998年に海鳴社から出版されたものである。残念ながら長年品切れになっていたが、このたびPHPエディターズ・グループから『河合隼雄の幸福論』として復刊されることになった。」(解説:河合敏雄(京都大学こころの未来研究センター教授)