そもそも、私は夫婦の相性なるものを信じない。あるとすれば相性ではなく「合」性、即ち「合」わせる性である。どんなにすぐれたコンピュータの力を借りて世界の中から最も相性のよいもの同志を組み合わせたとしても、そこには、なお合わせなければならないものがあるに違いない。他人(ひと)に合わせるという能力、即ち、人間がひとりの他人と共存していくうえに欠くことのできない協調性、柔軟性こそが、結婚生活を可能にさせる性格 (Marriageable personality) だと考えている。古人は「馬には乗ってみろ、人には添ってみろ」と、うまいことを言った。(p146)
「夫と妻の心理学」 近藤裕 1981年 創元社



